2007' 9.22〜23

   新潟   

今年もアッという間に渓流シーズンも終盤を迎えてしまい、寂しい限りである。
だが、限りがあるからこそ貴重なのでもある。

昔から「良いものは少ない」とも言われている。
ゆえに凝縮された時を有意義に楽しむことに没頭したいと切望するのである。


釣れるか、釣れないかはともかく、貴重なシーズン・ラストにロッドを振る事が出来ればそれでも十分に幸福である。
前回いい思いをした新潟の流れで今シーズンを締めくくるべく出掛けることにした。
あわよくば、柳の下の二匹目を・・・という下心であるが、往々にしてそのような目論見は成功しないものである。
果たして。

9/21(金)の夜に出発して関越道に乗る。
三連休とあってサスガに車は多めであるが、それでもスルスルと走って目的地には日付が変わった午前2時過ぎに到着。

テント・サイトに着く直前の林道で野ウサギさんに遭遇。
車の前をヒョコヒョコ走っては止まり、またちょっと走って止まる。
私たちもそれにあわせて少し行っては止まるといったのん気な事を数十メートルほど続けて、やっとウサギが脇の草むらに消えた。

道案内をしてくれたみたいで楽しかった。
例によってビール燃料を注入してそのまま車で眠る。窓を少し開けるとフィトンチッドの香りが流れ込んで癒される。静かで秘めやかな夜を、短いながらに熟睡する。

※↓画像クリックで拡大
朝はブルー・ジェイたちの賑やかな鳴き声で目が覚める。

ゆっくり起き出してヒンヤリとした林の中で排出作業を済ませて車に戻り、まだ深い眠りの中にあるカミさんの横で朝ビールを摂取しつつ、リールからわざとギィーっ!!と大きな音をたててラインを引き出してクリーニングする。
新しいリーダーを結び直してビールを飲みきる頃にやっとカミさんも目を覚ます。

そのあとでテーブルを広げ、チェアーを出し、スリー・バーナーをセッティングして眩い朝日の中でひたすら爽やかな空気に包まれながら簡単な朝食をゆっくりと摂る。
猫シャチョーは、これまた例によって東京を出発した直後に酔っ払ってゲロゲロではあったが、その後はカミさんの膝の上でひたすら熟睡。
到着後もグッスリねむり、朝は快調。

テント・サイトの廻りを楽しくお散歩。


さてと、釣りである。

前回よりもかなり下流まで歩いて下り、そこから釣り登ってくる計画である。
下る途中はバッタを捕まえたり、花の写真を撮ったりして道草をしながらボチボチと行くのであった。

空は青くて高くあり、ススキの穂は揺れ、水は清く流れ、ひたすら爽快なのである。
そして紫外線が強烈に降り注いで私達はこんがりとローストされる。
30分ほど歩いて下り、ホンとはもう少し下ってダムのインレットを覗いてみたかったのであるが、これ以上歩くとカミさんがエンストしそうな気配なのでここらで手を打つことにする。

#13に巻いたテレストリアルをキャストしつつ釣り登る。
中・小サイズのアタックはあるがフッキング出来ずにやがて大きなプールに差し掛かる。
そこでようやく・・・・・。


ちょっとヨソ見している間に出たらしく、水面に波紋が広がった所を見て慌ててフッキングしたのであるが、どうやら間に合った。

ぐんぐん、グイグイと力強くロッドを曲げて走る。
無事ネットに収まったのはエラく体高のあるヤマメであった。
尺には届かなかったが、婚姻色が出始めた精悍で背ッパリなオスである。
コワい顔。

いいファイトだった。
今度はカミさん。

同じプールで続けて二匹掛けた。
残念ながらサイズはスメルト・サイズのヤングではあったが、ミドル・レンジの距離から気持ちよく出てキレイに掛けた。

殆ど同じサイズのイワナを連続ヒット。

小型だけど、ヒレはぴんぴんに尖って、ボディもぴかぴかの美しい固体である。

ここで自然繁殖してダムからさして来たのではなかろうか?と思われるようなコンディションの魚であった。


その後が続かなくて、チビどものアタックが続き、たまに乗っても判で押したように掌サイズばかりである。


オレンジがとても強い魚体。
美しいのはいいとして、サイズが・・・・・。
釣れども釣れどもこのサイズ。

ウ〜ン。


ケッコウ歩いたし、日差しは強烈だし、魚はコレだしですっかりダレてしまったので、なんとか釣り登って一度テント・サイトに戻って遅めのランチを摂って休憩である。

乾いた喉にビールを全速力で注入し、ランチも摂って栄養が廻り午後の部をスタートする。
ここから上流は前回、ラクに尺を越えるイワナを逃したポイントがあり、ほかにも尺2本をネットに収めた場所である。
当然、期待も高まるのである。

だかしかし、流れは沈黙を守ったままであった。
柳の下の二匹目はやはり存在しなかったのである。
それどころか、そもそも小物の反応ですら殆ど無い状態であった。

川の状況が変化していたこともさることながら、私達の直前を先行者が通過していたことも、上がる頃にすれ違って初めて知ったのであった。

ま、こんなモンだといえば、言えまさぁネ。
夕刻は大気も冷え始めて、早めに切り上げ最後のキャンプの夜をノンビリと過ごす。
途中で霧雨が降り始めて慌ててタープを張る。

昨夜はディナーを目一杯食らって、程よくアルコールも注入し、日中頑張った疲れもドット出て、なんと午後8時半にはシュラフに潜り込んでしまった。
一度もトイレに起きる事も無く、そのまま朝8時まで寝てしまう。
ホンとに熟睡するための条件がことごとく揃っていると言えそうな環境で、いくらでも眠れてしまいそうなのである。

夜はたまに雨と風の音が夢心地に聞こえていたが、朝には止んでいた。

朝食を済ませサイトを畳んで、帰る前に来シーズンの為にまだ覗いた事のない上流部の下見に出かける。
試しにちょっとロッドを振ってみたが、雨も降り出し惨敗であった。
ま、来年無駄足をする事が無くなったと思えばいいか・・・・。


今回の釣りを総括すると、ボーズではなかったし、一応、1匹は貫禄のあるヤツをネットに収める事ができた。
なにより、素晴らしいロケーションで1日遊ぶ事ができたのである。締めくくりとしては良い出来だったのではないだろうか。


今年の残りは、また管釣りかいな。・・・・・・?


フォト・ギャラリー
  ※↓画像クリックで拡大(コメント付き)

猫シャチョー・フォト・ギャラリー
    ※↓画像クリックで拡大(コメント付き)