2008
 07.19-20   新潟県  湯沢

せっかくの三連休なので、キャンプに出掛けることにした。
いつもの湯沢である。

ゴールデン・ウィークは予想外の雪代で釣りはサッパリだったこともあって、今度こそは・・・という思いもないではない。

梅雨明け宣言こそしてはいないものの、連日雨らしい雨も降らず、暑いのである。
涼しい河畔でキャンプをしてグッスリ眠ることも大きな目的である。

18日の夜、蒸し暑い東京を出発して関越道に乗る。
車はソコソコの量ではあるが順調に流れている。

例によって高坂S.Aで夜食を摂り、谷川岳P.Aで飲料水をポリタンクに汲み関越トンネルを抜けると小雨がパラついていた。

高速を下りてコンビニで買い物を済ませ、目的の川まで暫しワインディングを走る。
さて、当てにしていた場所に到着すると何やら様子が違う。
イベント設備の設置途中であるらしく物々しい雰囲気である。

こりゃダメだ、ということで今走ってきた道を再び戻っていつもの場所に向かう。
ようやく目的地に到着し、お預けになっていたビールにありつく。
結局、時刻はいつもと同じく日付が変わって午前3時過ぎである。

雨も上がり、雲の切れ間から月明かりも見えている。
湿度の高さが少し気になるが、それでも朝までの短い時間を車の中で熟睡する。

早朝、車を止めてある直ぐ下の流れで試しにロッドを振ってみる。
いつも入るのはここよりもずっと下流で、この辺りでロッドを振るのは初めてなのである。

工事の後が生々しい細い流れである。
生命反応がない。
諦めかけた頃、まだ出来てから新しそうな堰堤のプールでようやくいいサイズの魚がボコッと出たものの、合わせ切れ一発。
なんの抵抗もなく6 ]のティペットが切れた。
????・・・。

その後は反応が無くなったので、花の写真など撮りつつ車まで戻る。

ここは登山ルートにもなっているので、重そうなバックパックを背負った登山者とすれ違う。
秘書サンを起こして軽く朝食を摂り、テントサイトを探しつつ下流に下ってひとまず釣りをするコトにする。

こちらでもロクに雨が降っていなかった様で、かなりの渇水状態である。
魚はどこかしらに残ってはいるであろうが、釣り人も多い事でもあるしかなりナーバスになっているものと思われるのである。

車の各ウィンドウにサン・シェードを施し、更にコールマンの乾電池ファンをセットして、留守番をしているネコ社長の為にコンディショニングを行う。
身支度をしていると、どっかのオジサマ・フライマンがやはりこれから川に降りるべくやって来た。
「この下から入ってみようかと思うんだけど・・・」ということなので下流は譲り、私たちは上流に入る。

イジワルなくらいに早い一発屋のライズが少々と、そのほかにまたしても合わせ切れである。
ここにきてようやく、「どうやらティペットが腐ってるらしいゾ」と気が付くのである。
完全に日が昇って、容赦ない紫外線が降り注ぐ。

暑い。

大きなプールでは深いところでいいサイズの魚影が見られるが、それは決して水面に浮上してくることがない気配である。
一応フライを流してみるが、モチロン浮上する素振りも見られない。
言うなれば「客寄せパンダ岩魚」である。

モシカシテ、またこのまま丸ボーズになっちゃうのかしら・・・と思い始める。
秘書サンが取った一枚。

水底にネコの肉球の影が・・・!?
私たちのヤル気もエンプティーである。
車に残してきた猫シャチョーが心配になってきた事でもある。

一旦、川から上がり、先ほど目を付けておいたテントサイトに移動して店を広げ、ランチを摂る事にする。

今回のサイトは、目の前に本流の浅瀬が流れ、すぐ横から澄明で冷え冷えとした小さな支流が流れ込むという恵まれた環境である。
暑さでうだってきたら、支流の澄み切って冷え渡った流れに足を浸して涼めば良い。

スクリーン・ドームの中で何とか暑さを凌ぎつつ、缶ビールだのワインだの次々と吸収しながらも目をすぐ側に生えている木に泳がせる。
このテント・サイトの脇には、いかにもクワガタ君たちが居そうな、ボコボコとあちこちに穴が開いたクヌギの木が数本生えているのである。
そして少年時代に虫取りでやしなった目は、不思議と反応するのである。
木の幹の中程をシャカシャカとよじ登っていく黒い物体が目に入る。
「いたーっ!!」
というわけで、スクリーンから急いで外に出て木に近づくと果たせるかなクワガタであった。

こんな白昼にノコノコ歩きまわっているとは。
ここにいる間に、オスとメスのコクワガタを2匹づつ見つけた。

夕方からはロング・スリーブ・シャツを羽織りたくなる気温に変わる。
日中の猛暑がウソのように涼しくなって、楽しいキャンプの夜がはじまるのである。

酒、美味しい食事、星、月明かり、そして1匹だけのホタル。


翌日。
涼しさの残るテントの中で、ウツラウツラ、寝たり覚めたりを繰り返しながらシアワセに寝坊する。
ゆっくり起き出して朝食を摂り、またゆっくりと店じまいに掛かる。

だんだん雲量が増し始め、撤収が完了して下流に移動しロッドをもう一振りしようかという頃にはとうとう雨が降り始める。

人も消えて、岩陰に引っ込んでいた魚が動き出しそうな気配である。
小雨が降り続く中、濡れるに任せながらロッドを振る。

魚が反応する。
そしてまたしても合わせ切れである。
ティペットが劣化してダメになっているのは明白であるが、スペアがないので仕方がない。

その後、何とか今度こそネットに魚を収める。

小型だけど貴重な1匹。
秘書サンは小さいのが1匹、フッキングしたら吹っ飛んできた。他に出た魚は乗らなかった。

私も1匹飛ばし、更に合わせ切れのカウントをもう2つ増やして終った。
今回はいったい何回ティペットがブレイクしたことか・・・。

帰ったらすぐにティペットを買いに走らねばなるまい。



猫シャチョー三選。