この長〜いボディの一匹、ヒットした時がケッサクであった。
私が掛けた魚をランディングしてくれていた秘書がフライを沈めたまま自分のロッドを置いていたのであるが、そのロッドにいきなりストライクした。
リールがギィーっと逆転しつつ地面に置いたロッドが引きずられて池に飛び込みそうになっている。
ワタシは「あっ、イッたな・・・。」と諦めたのであるが、秘書が見たことのない素早さで動いた。

まるで獲物に襲い掛かる獣のように、倒れこみながら池に引き込まれそうになっているロッドに飛びかかった。
間一髪、ロッドに前足、いや手が届いて事なきを得た。
ワタシはオカしくてゲラゲラ笑ってしまったが、秘書は必死である。
たまたま外に出てきて見ていたレスト・ハウスの受付の女性も笑っている。

魚はバレたものと思っていたら、まだロッドは曲がっている。
秘書はロッドを掴むのに全力を使ってしまったのと、両膝をぶつけた痛さでロッドが捌けないので、ワタシが笑いながらもロッドを受け取ってランディングした。