「ナンじゃコリャぁ〜っ!!?」
秘書がストライクさせて、あっという間にパッキングまで引き出され、まだ止まる気配がない。
秘書ギブ・アップにつき私が交替してロッドを握る。

念のため、前回途中で絡んでいたパッキング・ラインを直してあったので、その点は一先ずいいとして、そのパッキングもどんどん引き出されて残り僅かでヤバイのである。
なんとか踏ん張って魚の走る方向を変えさせて、少しずつラインを取り返していく。

ようやくフライラインがガイドに入ったかと思ったら、またすぐにパッキングまで持っていかれてしまう。
そんなことを長々と繰り返す。

ロッドを支える左腕は強張ってバカになりかかってくるのである。