猫シャチョー「ムク」様の病気とは・・・・?

ある時、秘書がシャチョーの異変に気付いた。
肛門の近くの脇がぷっくりと腫れ上がっている。

頂点付近に傷らしきものがあったので、てっきりこの傷からバイ菌が入って炎症を起こしているのではないかと思ったのであるが、秘書がネットで検索して、この症状にそっくりのがあったと言う。

肛門腺が詰まって起きる肛門濃炎というのがかなり近いことが判った。
見れば見るほど、多分、間違いない。
肛門の両脇、斜め下辺りだが、ここに肛門腺と呼ばれる臭腺があり、これが詰まることがあって内部の袋が炎症を起こすコトがあるらしい。これは犬にもあるそうである。
まあ病気の程度としてはそれほど大したモノではないと、いうことだ。

通常はウンコちゃんが出る時に一緒に絞り出されるらしいが、便秘や下痢が続くと臭腺液の排出が上手く行われずに詰まり、内部で炎症が起きて膿が溜まるということらしい。
腫れが限界点にたっすると破裂することもあるそうである。

秘書は併せて対処方、治療法も調べていたので、慌てずに済んだ。
基本的には手で絞り出してやるということらしい。
内部に溜まった膿が硬いときには切開して絞り出すことになる様だ。

病院に連れて行ってもやることは同じだし、シャチョーは大の病院嫌いなので、かえって強いストレスを与えるのは良くないであろうと判断して、自分たちで対処することにした。
ネットで解説されていたように、絞って膿を絞り出す。

かなり痛がる、ということであった。
秘書がしっかりとシャチョーを押さえつけ、私が慎重に腫れた部分の周囲から押し出しに掛かる。
やっぱりスゴイ声で叫び、暴れようとする。
それでもやるしかないので、続けると、果たせるかな、本当に肛門脇の小さな穴から褐色のドロッとした液が出てきた。
コツを掴むと出が良くなった。

シャチョーはずっと死にそうな声を上げるが、中途半端ではまた炎症が起きてしまうかもしれないので、徹底的に絞り出す。

どうやら、腫れもペッちゃんこになって一通り膿が出たようである。
周辺を消毒してその日は様子を見たが、翌日、結局、患部の皮膚に穴が開いた。
どうやら腫れが頂点になった時に、すでに破れていたのかもしれない。
本人(?)も違和感があってしょっちゅう舐めてしまうので、小さなキズでも次第に広がってしまう。
とはいえ、穴が開いたお陰で、中に残っていた膿やカスもすっかりキレイに出切ってしまったので、かえって良かったかもしれない。病院で切開したのと同じことである。

結構な大穴になってしまったので、結局、秘書が舐め防止のため首に巻く例のカラー「エリザベス」とクスリを買いに走った。
クスリはやっぱりネットで調べた秘書が、病院で貰うのも人間の痔のクスリと同じであると突き止めたので、ドラッグ・ストアで痔のクスリを買ってきた。
ま、殺菌剤や消炎剤が入った軟膏であれば同じことと、いうワケでしょうな。

何しろ皮膚に大穴が開いて内部構造まる見えの状態なので、消毒して痔のクスリを塗り、バイ菌が入らないように更にテープを貼ってガードする。
そして生まれて初めてエリザベスを装着する。

最初はかなりの違和感でシャチョーもうまく動けずと惑っていたようである。
それでも次第にその状態に慣れ、ガコッ、バコッとカラーをあちこちにぶつけながらも歩き回るようになり、眠ることもできるようになった。

半信半疑であった痔のクスリも、どうやら良く効いているらしく、一週間ほどで急速に回復し始めた。
「エリザベス」にも慣れ、さらに秘書がネットで紹介されているのを参考にして、クリアー・ファイルをカットして作った軽量で視界も効くエリザベスも交互に使用するなどして、行動範囲も通常に近いところまで来た。

食事とトイレではサスガに不自由のようであるが。

二週間ほどで穴も随分と小さくなり、目の届く日中はカラーを外す時間も増やしていった。
三週間目では、穴は小さなカサブタ程度になり、もう殆ど治ってきている。
一応、また舐めたりかんだりして傷になることを用心して、夜だけはカラーを装着していたが、それもすぐに必要なくなった。

何しろ、秘書が毎日、朝と夕方は消毒とクスリの塗布、テープの交換をまめに続けてくれたお陰で、思ったよりも早く回復してくれた。
現在は穴も完全に塞がって、通常通りの生活に戻った。