2009'  

 09.19-22  「有終の美は湯沢でネ」    新潟・湯沢 

        其のA

昨夜は雲間から所々星空が覗いていた。
夜は一気に気温が下がる。
ダウンとまではいかないまでも、Tシャツの上にロングスリーブ・シャツ、そしてフリースを着てどうにか凌げるというレベルである。

2日目となる翌朝、まだ眠っている秘書とシャチョーを残して1人でちょっと近くまでロッドを振りに行く。

雲が多いながら隙間から青空が見えるといった天候である。
そして時折薄い雨雲が流れてくるらしく、パラパラと雨が落ちてはすぐに止む。

ヒンヤリとした澄明な大気が心地よい。

テントサイトの少し下流まで歩いて流れに降り、二時間ほどのんびり釣り上がってちょうどサイトの真下まで来たところで引き上げる。

例によって残っている魚を重箱の隅を突くようにして探る釣りである。
恐ろしく早いライズに遅れるか、さもなくば合わせ切れ。
静かな時間帯に丁寧に探れば、いくらか残っている魚が出てくる様ではある。ヒジョーにシブイが。

ここぞ、というスポットからはたまに、バシッ!!とやたらと派手で早いライズもあるが、そいつはまず合わない。

よほどのエキスパート以外は見逃しそうな小さな巻き返しからは、悪くないサイズの魚がモコッ!と出ることもあるが、そういう時に限って合わせ切れである。

フラットな浅瀬が続くポイントの端っこの小さなスポットから出たヤツがフック・アップしたが、コレは小ヤマメであった。
川から上がってサイトに戻る。
秘書を起こしに行くと、一旦は目を覚ましたがどうやら二度寝の気配である。

私はポータブル・CDプレーヤーでちょっと懐かしい曲に聞き入りつつ、酒とツマミを楽しむ。
1時間ほどまったりしたあとでもう一度、秘書を起こしに行く。

ゆっくりブランチを摂り、午後から秘書と釣りに行く。

朝よりもさらに下流まで道路をテクテク歩いて下り、テキトーなところで川に降りて釣り登って行く。

渓相は悪くないのだが、随分長い区間、全く生命反応がないままひたすら釣り登る。

貸切状態なので特に焦ることもない。
魚の反応がなくとも思い通りにラインを操って狙った流筋にフライを通す、純粋にその作業が楽しい。

そんな楽しみ方が出来るのは久しく無かったことの様に思われる。
これはコレで、とても貴重な時間なのであった。

果たせるかなそのうち、ようやく魚の反応があった。
ネットに入ったマトモな魚は1匹であったが、ごく短いエリアで幾つかの反応があった。

←このスポットを皮切りに魚の反応が活発になった。

ヘッド・&テールでフライを押さえ込んだところをジャスト・ミート!!
随分と間が開いた後のストライクでちょっと焦り気味ではあったが、無事にランディング。

秘書にも小型の素早くてフッキング出来ないライズが何発か、そしてちょっとスゴイ出方をしたヤツが一匹いた。

それは狙って流していたスポットからかなり離れた岸際の落ち込みからいきなり真横に、一気にフライ目掛けてすっ飛んできてバクッと出て、また元の場所に真横に走り去るという意表を突く出現であった。

明らかに尺を越えると見えた其の魚は、あまりに唐突に出現して去った。
もちろん、2人とも「アッ!!」と思って其の光景に一瞬見入っていまい、瞬後、秘書は合わせをくれたが間に合わなかった。
その後は二度と姿を現さなかったけれど、まだこんなサイズの魚が残っているのであるという期待感を抱かせてくれた事であるし、ナンだかとても良いものを見たという不思議な満足感が残った。

コレはご愛嬌。

こんなのが何匹か出て、たまたまフッキングしちゃうことがある。そのうちの1匹。

チビだけど、キレイな魚体なので思わず一枚。
夕暮れ迫る頃、堰堤下のごく小さなスポットからオマケの1匹。

其の後は秘書に小型の魚が何匹か出たものの、結局フック・アップしないままで真っ暗になって終了。
2人でブラブラ、すっかり暗くなった道路を歩いてベースに帰る。

さあ、また楽しい夜が始まるゾ。

外は気温が下がって寒いけれど、カバーを下したスクリーンの中は暖かである。

夕方からは雲がスッカリ取れて空一面の星空である。

今夜のディナーはキムチ鍋である。
この気温だと、体も心も温まる熱々の鍋はウレシイ。

たくさん食べて、シッカリ飲んで、そしてぐっすり眠ればまた楽しい明日がやってくる。

★オマケPhoto

★まだ続き有り★