10.16  「いわゆる一つの、冬季釣り場 栃木県・箒川  

さて。
今年の渓流シーズンも幕を閉じ、入れ替わって管釣りシーズンの到来である。
で、あるが、今年は暖かいせいであろうか、気持ちを切り替えるのに何となく、もうワン・クッション欲しい気がする。

そこで、以前から行って見たいと思いつつ果たせずにいた、いわゆる「冬季釣り場」というヤツに出掛けてみようと画策する。
シーズン・オフから管釣りに移行するまでの中間的過渡期を埋めてくれる、「トランジット・フィッシング」とでも言うべき期間限定釣り場は、今や各地の河川に設定されている様である。

近場の釣り場を検索する。
山梨の小菅川を当初、候補に絞り込んでいたのであるが,河川の規模からしてもうちょっとワイルドに楽しめそうで、しかも観光的に見てもアドバンテージがありそうな栃木の箒川にも惹かれるものがある。

箒川といえば、20数年前には何度か釣りに訪れていたが、以来ブランクがあり、懐かしいのである。
小菅は近くてまだこれからでも行く機会は作れそうなので、本格的に寒くなる前に那須に出掛けてみるのが良いのではなかろうかと、思い至る。

かくして、15(金)夜に塩原へ出発する事となった。
21:00過ぎに三鷹村を出て、大泉から外環に乗り東北道へ。
東北道に乗るのも数年振りである。22:00近く、リニューアルされたPASAR羽生・SAで夕食を摂る。
まだ開いているフード・コートでイベリコ豚うどん、とろろうどん、チャーハンをオーダーして平らげ、再び塩原を目指す。

因みに、うどんの味はなかなか悪くなく、イベリコ豚は「猪ブタ」ライクで、シコシコとした歯ごたえとしつこないコクがあって宜しかった。 

※全画像クリックで拡大・解説
  深夜12:00頃、道の駅「湯の香・しおばら」に到着する。
例によって歯を磨いた後、缶ビールを引っ掛けてグッスリと眠る。

明け方、深い眠りから急速に浮上し、早く起きて釣りに行かねばという気持ちと、心地よさに「もう一眠り」という気持ちの幸せなせめぎ合いの中で浮沈を繰り返す。 
  結局、産直販売所がオープンしたので更に野菜を物色し、午前9:30近くになって道の駅を出発する。

気分爽快な緑の中のワインディングを抜けて目的の冬季釣り場エリアに到達する。 
   天気良好。
流れにはチラホラとロッドを振る釣り人の姿が散見できる。

私たちもレストラン「いちまつ」て゜釣り券を購入し流れに降りる。
この無料駐車場に隣接してトイレが設置されているが、秘書が早速チェックしに行ったところ、清潔で「GOOD !」という評価であった。
ならば、女性にも安心である。
よく晴れて穏やかな秋の日である。
時折、風が流れると少々寒さを感じるものの、絶好のレジャー・デイである。

「福渡」の交差点にある橋で向こう岸に渡り、橋の袂から流れに降りる。
福渡、なんだかイイ名前ではないかね。

流れに降りて、ロッドを繋ぎラインを通す。
さて、フライは何を結ぶか?
この気温、ハッチは無し。周囲の釣り人は沈めているようである。
でも、ヘソ曲がりのワタシはドライを結ぶ。

舐め床の岩盤のポイントである。
流れは薄っすらと乳白色の濁りが入っている。
数投するうちヤマメらしき魚が一度浮上するがそれきりである。

橋のタモトにあるホテルからの悪臭を放つ汚水のタレ流し口を通過して上流へ向かう。
どうやらまだこの地域では下水処理のシステムについては基準が低レベルにある様である。残念ながら。

葦を抜けて開けたポイントで、ニンフに換えてキャストするとすぐにマーカーが引き込まれた。
疑いながらも反射的にロッドを立てると確かな手ごたえがあり、流れの中を一瞬いいサイズの魚が走るのが見えた直後、ティペットがブレイクした。
コレで魚が居ると判ってスイッチが入った。

  少し上のポイントに移動してからキャストしたところ、マーカーにライズしたかと思ったら同時にフライにもストライクしているという、面白い瞬間があった。

そこでストライクした魚は近くまで寄せたところでバレてしまったが、その後すぐまたストライクした。
 
 
   ナンだか妙な外道も釣れたりして・・・・。

ナニ釣ってンの?
 

更に、その上のポイントへ。
此処はすでに天狗岩の直下にあるプールで、冬季釣り場の上限ポイントである。
大型の魚から中型まで数匹が流れの中に見える。

   ホイ、きたゾ。

此処の魚は見てくれはそれ程よくないけど、ファイトは強力だゾ。

流れに乗ってグイグイ走る。
寄せてからバレる確率も高い。
 
  天狗岩である。

フリークライミングを楽しんでいる姿も見える。
此処から下流、塩原ダムまでが冬季釣り場となる。  
 
    
  ビッグ・サイズを逃した後、再び秘書のストライク。

サイズ以上にファイトは強烈。 
 
  続いてもういっちょ。

今度のはもっとコンディションがいいゾ。 
 
   更にワタシも追加。

エピオーラス系、#16のフックで巻いたニンフが好調である。
 
さて、昼を過ぎてちょっとアタリも遠くなり、足腰にも疲労を感ずる。
そろそろ昼メシにしますかナ。

ランチは入漁権を購入したレストラン「いちまつ」にインシテミル。
  昼時はちょっと過ぎているせいか、観光地からは外れている立地のせいか、店内に他の客は居らず貸切状態である。

生姜焼き定食とポークカツ定食をオーダーする。
コレ、カナリ旨い。 
 
栄養補給した後は、そのまま昼寝したい衝動に駆られるが、日の落ちるのが早いこの時期、時間は貴重である。

今度は橋の下流部に入る。
此処は、観光用の歩道が川沿いに設置されていてアクセスが容易である。

  橋からすぐ近くのプールに陣取って午後の部を開始する。

周囲はダイナミックな瀬で、水深のあるプールはココだけである。
魚が溜まっているとすればココしかあるまい、と狙いをつけて粘ることにする。
 


  暫く、魚の有無を探るが、音沙汰がない。

そこで、フライのチョイスを一転してファンシー系に切り替える。
まず、魚が居るか居ないかを知るには、よく目立つフライを使うのが手っ取り早い。

すると、すぐにストライクがあった。
 
 
  魚が居ることが判れば、秘書の出番である。

最初に数匹をバラした後、強烈なストライク。 
 
  続いてワタシもストライク。

魚は結構居るようだぞ。 
 
  やはり、このプールには魚が溜まっている様で、丹念に探っていくと次々と当たってくる。
 
 
   秘書にも次々とストライクする。

バラシや合わせ切れもそれなりの数なので、それを考えるとカナリの数のヒットがあったコトになる。 
 
  ファンシー系のフライでアタリが遠くなったら、再びイミテート系に変える。
すると、テキ面に反応してくる。

難しい訳ではないが、適度にフライは選ぶし、ドリフトもそれなりに的確でなければやはり食ってこないという事があって、簡単過ぎないところが管釣りと違って面白いのであった。
 
 
  いよいよ夕闇が迫る。
するとアチらコチらでライズが始まった。

やっぱり、〆はドライだろーね。
 
 
秘書も最後に一匹狙い。
フライは殆ど見えない状態なので、ダウン・クロスにキャストして、ラインのテンションをキープしながら流れを横切らせる。
すると、ダイレクトにロッドにアタリが来るか、もしくはフライが横切っている位置でライズがあれば合わせてみる。

何発か出て、二度ほど乗ったが最後にフック・アップしたちょっといいサイズの魚かバレたところでタイム・アップとなった。
暗い水面では今もずいぶんな数のライズが続いている。
名残り惜しい気もするが、十分楽しませてもらった。

結局のところ、真っ暗になるまでフルに遊んでしまったではないか。
コレは結構、管釣りよりも楽しいのかもしれない。
少なくとも、目の前にルアーを放り込んでくるアホもいないし、それどころか周りには他の釣り人も居なくて伸び伸びと楽しむことができた。
釣れる魚がヒレ丸のニジである点を除けば、シーズン中の釣りとほぼ同じ事でもある。
そのヒレ丸のニジにしても、考えようによっては、同じサイズのヤマメや岩魚よりもずっといいファイトをする点では純粋に楽しいワケである。

管釣りほど解り易す過ぎないところも良い。
景色も楽しめたし、安くて良質な野菜も沢山ゲットできて、高い付加価値も付いた楽しい秋の一日であった。

コレならまた来てもイイんじゃない?
秘書とワタシの一致をみた見解である。


帰りは再び道の駅に寄って一眠りし、20:30ごろ出発して高速に乗る。
中央道と違って渋滞もなく自分のペースを維持して走ることが出来る。
上河内SAで「宇都宮餃子定食」と「シェフお勧め味噌ラーメン」を食して、三鷹村に帰りついたのが24:30であった。。


★オマケ★   

ちょっと、シャチョー、ダイジョブっすかっ!!!???
  「オイラ、また置いてけぼりだぁ〜っ!!」っと悲しみに打ちひしがれている、


のではなく、この様にして寝ているシャチョーである。