2005'

6/28  岐阜県 ― 地元の源流
梅雨に入ってから大した雨も降らないが、釣りに行こうとすると天気が悪くなるのはどういうワケだ?。
天気予報では、大雨の可能性があると云っている。
1時間ほど車を走らせて初めての川に行く予定だったが、一先ず中止である。

昼近くになって、今にも降り出しそうで結局降って来ないので、サンプル用のロッドにドローイングを済ませたところで近場へ出掛けることにした。

ココは地元を流れる川の源流部に当る。

この渓へチャリンコにタックルを括り付けて片道2時間以上の道のりを通った日々は、実に20年近くも前の事である。
今にして思えば、若さと馬鹿さの成せる技であった。

当時は、一目で天然モノと知れるイワナとアマゴが混棲する流れで、時には一つのプールで6〜7匹の良型アマゴが連続ヒットするような事もあった。

果たして魚たちは今も健在であろうか。
ちょっとノスタルジックな気分で、小雨が降ったり止んだりする肌寒い流れに下りる。
レイン・ジャケットを羽織ってちょうど良いくらいの気温である。
ヒンヤリと冷たい渓谷の空気に包まれながらロッドを振る。
木のカバーが多いので、少し油断するとすぐに後ろで枝がヒットする。


最初の魚は以外にもアッサリと出た。

小型だが、野性味溢れる美しいイワナである。
魚の活性は高くて、速い流れから横飛びにフライを押さえ込んだ。


ウ〜ン、ちゃんと魚の居る流れでいてくれたのだナ、と感慨深い1匹目なのであった。
続いて堰堤下のプールでカミさんにヒット。
手前のヒラキには魚は付いておらず、落ち込みの奥にパラシュート・ビートルをネジ込んでようやく出た。

ロング・キャストからバシッと気持ちよくフッキングが決まって、黄色い声が谷間に響き渡った後に元気なイワナがネットに入った。
快心の一撃でキャッチ出来た、この土地での彼女の初イワナである。

アマゴではフッキングのタイミングが掴めず、前回もニジマスのみで終ったのだが、念願が叶った瞬間である。
そのあと、堰堤を高巻きした時ワタシがコケたのであるが、ロッドを握った手を思いっきり着いてしまい、ティップがポッキリ逝ってしまった。
最近は運動不足のせいか(?)毎回一度はマトモにコケる。

ま、釣りが続けられる程度の折れ方だし、近い内にティップをカットしてリ・ビルドしようかと思っていた所でもある(ホンとですよっ!)。
スネークをトップにする為に、取り敢えずハミ出しているブランクを更に指でポキッと上手に折って振ってみると、なかなかキレがあってヨロシイ。
いい位置で折れてくれたじゃないか。と、思う事にする。

ついでに昼食を摂ってから釣りを再開する。

すると直ぐに、枝にカバーされた流れ出しで魚が出た。
グッド・コンディションのイワナが、短くなったロッドをグイグイ曲げて力強く走る。
体長の割に、ズッシリと重々しい。

パンパンに膨らんだ腹は、硬そうなモノがボコボコと詰まっているのが見て取れる。
恐らく彼らのストマックは、すでにテレストリアルで満たされているのである。

そんな季節になったのだねぇ。
その後も、サイズは大した事ないが退屈しないくらいに魚が相手をしてくれる。

それ程スレている感もなく、合わせ損ねても2〜3回は出てくる。
フッキングしなかったり合わせ切れした魚もケッコウいたし、この位の条件の流れとしては十分わるくない魚の密度と言えそうである。
現在はこの付近には魚を放流していないと思われるのだが、実際の所は知らないので、自然繁殖で継続されている魚体であるのか定かではない。

淘汰されてしまったのか、以前のような素晴らしいコンディションのアマゴが1匹も姿を見せなかったのはちょっと寂しい気もするが、魚が釣れるのは良い事である。



夕刻になって本格的に雨が降り始めた渓谷から上がる足取りは、軽いのであった。
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