12.25  「]'mas・ツリー(釣りー) 山梨県・小菅川 冬季釣り場  

年の瀬である。
さらに、クリスマスである。
まだしばらくあるナ、などと思っていたらアッという間にそんな時期になっているのであった。

この時期となると、毎年、釣りに出掛けるということもなく、食い扶持を稼いでいる方の仕事で忙殺されるにまかせているのみである。
今年の暮れも釣りに関係した事といえば、毎夜、眠りに就く一時、秘書からプレゼントされた「釣魚大全」(アイザック・ウォルトン著・森 秀人訳)を緩々と読み進めるくらいのことである。

この原書については開高 健が、春の日向を馬に揺られつつポクリポクリと進んでいくような、といった種類の表現をしていたかと思うが、まさにそんな感じの書である。
穏やかでユルく、時に回りくどいとも感じられ、魚の生態についての記述も鋭い観察眼と同時に、現在の認識からすると苦笑が漏れてしまうような間違いも存在し、どこか浮世離れしていて、それらが不思議な味わいを醸し出している。
そんな一冊が、日々の忙しさでささくれ立った精神を解きほぐす手助けをしてくれるのである。


前回の那須を最後に今年はもう釣りに行くこともあるまいと思っていたところ、思い掛けず我が秘書から「今年のクリスマスは釣りに行くってのは、どう?」という提案があった。そういうことであれば私としては即行、「乗った!!」となるワケである。
こういうオマケ的に出かけていく釣りであれば、場所も然り。

今年の渓流シーズンがクローズしてから、行って見ようと思いつつ先延ばしになって、結局今年はお蔵入りしそうであった小菅川の冬季釣り場に決定する。
数日前に季節外れの大雨が降り、そのあとは妙に暖かい日があって、そして出かけることにした本日は冷え込みが一気に復活、後で知ったがこの冬一番の冷え込みであったらしい。

25日朝、今日はゆっくり出発する。
こんな冷え込みのキビシイ朝は、少しでも気温が上がり始めるのを待ってからのほうが良い。
雲ひとつなく晴れ渡り、大気はカキーンと冷え切っていて、駐車場の車のフロント・ウィンドゥもバリバリに凍り付いている。
自宅近くのマックで朝食を済ませて、8:30近くになって三鷹を出る。

今回は高速に乗るまでもないので、勝手知ったる一般道をボチボチ走る。
高速を使わずに釣りに行くというのも、不思議な感覚である。

途中休憩を挟みながら焦ることなく走り、11:30近くになって小菅に到着した。
場所だけは事前にネットで確認してはいたものの、こまかいところまでは分からない。
川原におりるアクセスも釣り券を売っている場所も判らず、周辺をグルリと一回り、二周り。

結局、「小菅フィッシング・ビレッジ」で聞いて、釣り券もソコで購入できたのでようやくクリアーになった。
さて、教えられた通りに川原の駐車場に乗り入れる。
フィッシング・ビレッジのオッちゃんが「あそこはもう日が当たらないョ」と言っていたが、全面的に寒々とした日陰で、時折ゴォーっと冷たい風が吹き抜けていく。

先客の車は3台。
数人の釣り人がパラパラと散らばって寒そうにロッドを振っている。

なにしろ、寒い。
暖かな車内から一歩外へ踏み出すと、冷え切った大気と風に、一気に体温を持って行かれるのである。

近くで釣っていた3人組みのフライ屋さんは、見ている間に片付けて上がってしまった。
この閑散とした流れを見るにつけ全く魚が釣れるという気がしないのである・・・・。

取り敢えず、せっかく来たのでロッドは振ってみようか。
シッカと厚着して防寒対策をし、先にトイレを確認しにいく。
すぐ近くの養魚場のトイレが使えるコトになっているらしい。
秘書と交代で無事に用を済ませる。すぐ下の流れにいたフライ屋サンがちょうど一匹掛けた。
どうやら、一応、釣れるらしいナ。

秘書は一先ず、暖かな車内から様子を見ることにして、私が一人で流れに立つ。
日のあたっている場所は一箇所もないので、偏光グラスも必要ない。流れに目を凝らしてみると、時々、魚影が確認できる。
6xのティペットに#14のニンフを結んでキャストする。

浅くフラットなプール状の流れに見えていた魚は食ってこない。
一つ上の水深のある瀬が有望そうに見えるので移動する。
チラッと魚影も確認できる。
果たせるかな、流芯から少し外れた深みを流すとすぐにストライクがあった。

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身体も冷えたし、そろそろランチ・タイムである。
最後のコンビニがどこか認識していなかったので、この村で何とかなるであろうと思って来てしまったのであるが、何しろ寂しい集落である。
普通に定食屋というのも見当たらない。が、とにかく、身体が冷え切っているので温かいモノに有り付きたい。
コンビニになり損ねたという風情の店が一軒、近所にあったので、恐る恐る入ってみる。

弁当コーナーの棚を覗いて見ると、おにぎりが二個、ハンバーガーが一個、オムライスが一個。
大丈夫かいな?と思いつつ、電子レンジもお湯の入ったポットも置いてあったので、唯一のオムライスとカップ麺を購入することにした。
なにしろ、温かいモノに飢えているので、それでもなにやらウマイと感ずることに成功し、身体も温まったのであった。

       
    午後は気温、水温ともに低下すると、一気に魚が口を使わなくなって苦戦を強いられるのであった。 

16:00近くになって他の釣り人もみな引き上げてしまい、決定的に魚も口を使わなくなったので、私も今年の釣りを終了とした。

帰りの道のりも、高速を使わず夕刻の一般道の渋滞に所々引っ掛かりながら早い時間に帰ってくるという、私たちとしてはちょっと不思議な感覚を楽しみながら帰宅したことである。

  さて、こちらはお留守番の猫シャチョー。

相変わらずのナマけ具合で一年を締めくくろうとしておりますナ。