09.19  「シーズン・ラストは渓流で・・・ 山梨県・早川  




いよいよ今シーズンも間もなく幕引きである。
今年は忍野に始まり忍野に終る、コトになりそうであったが、やはり最後くらいは渓流で時間を過ごしたいではないか。

出来るだけ近場、でも雰囲気もある程度楽しめる場所はないかと検討する。
「リバーズ・エッジ」の渡辺氏のブログで野呂川釣行の記事を見て行ってみたいと思い、前回の忍野釣行の際、見回りに来た氏に情報を聞いたところ、お手軽なところではないと判った。
下流の早川であれば、もう少し間口が広そうではあるが、釣りについては今年は水温が高すぎて芳しくない、ということであった。

新潟まで出かけていく気分でもないし、ここはひとつ、来シーズンへの布石としてダメもとで早川へ様子を見に出かけてみますかネ。

3連休で渋滞は必至。
やはり前日夜に三鷹村を出発する。
午後9:30ごろ中央道に乗る。
空いている高速を車検が終ったばかりで快調な車で走り、途中、談合坂S.Aで晩メシを摂り河口湖で高速を下りる。
コンビニで翌日分の食料を調達して本栖道で早川を目指す。

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本栖湖を過ぎてウネウネと長いワインディングを抜け、12:00p.m過ぎに身延にある道の駅「クラフト・パーク」に到着する。
初めての場所には明るくなってから到着したい。ので、ここで朝までP泊する。

虫の音だけが心地よく響く静かなパーク・スペースで、例によって缶ビールを2本引っ掛けて朝まで熟睡する。

翌朝7:30ごろ起き出して軽く朝食を摂り、緑に囲まれてひたすら爽やかなクラフト・パークの敷地を少し散歩する。
ゆっくり支度をして8:00過ぎに出発する。

最初に入った流れは予め見当を付けておいた支流の保川。

川沿いの林道を「遊漁券販売所」の案内に導かれて一軒の民家の前まで行くと、そこが販売所であったが、ちょっとした駐車場があって「駐車料\300先に払って下さい」とある。
シッカリしてるワ。

今は八王子に住んでいてここに通ってくるというその家のオッサンから手短に話しを聞きながら\1000の入漁券を購入し、駐車料\300も払う。
初めての川だから取り敢えずコレでも良かろう。
予想通り?魚の反応が全く無いまま釣り登る。
見た目いい川なんだけど、生命反応ゼロ。

川床は砂利でそこそこ埋まってはいるものの、致命的な程ではなく、魚が生息できない状況ではないと思われるが、走って逃げる魚影の一つも確認できず。

ま、「さわり」としてはこんなもんでしょ。
車に戻って、本流沿いに上りながらイケそうな場所を探していく。
所々で車を止めて川を覗きながら、マイカー規制エリアが始まる奈良田まで一旦遡上し、再び下りながら釣り場所を決める。
昼近くになって場所を決め、軽くランチを済ませてから流れに下りる。

道路から見た限りでは、何となく期待薄なカンジではあるが、取り敢えず手がかりもないので、探りを入れてみるしかあるまい。

ロッドを振り始めて直ぐは何の反応もなく、「やっぱりダメかいな」と思い始める。

水は何となくどんより薄ら濁りで、底石にはとろろ昆布みたいに毛足の長い藻がとろり、ユラユラと流れに揺られていて、これじゃ居てもハヤとかじゃねェの?ってカンジである。
暫くの間まともな増水もなく、全く川床が洗われていない様子である。

イマイチ気乗りしないまま釣り登ると、少し流速があり深い落ち込みもある瀬に入った。
ソコで流したフライに、不意にフワッと魚が浮いてきた。
ヤマメと見て取れた。

ナンだ、居るじゃないのヨ!!
これでようやくスイッチが入った。

その魚は2度ほどフライを見に来たが、その後は姿を消してしまった。
フライを実によく見ている。

今度は直ぐ上のスポットで、白泡の巻き返しに落としたパラシュートにパッと出たがコレは合わなかった。
エラく速いライズである。
どうやら魚はいるらしいが、相当シビアーだゾ。

更に釣り登る。
急いで逃げていく魚もたまに見えるし、フライにも時々反応がある。

少し上流に人がいると秘書が言う。
見ると、チェスト・ハイを履いて護岸された浅い流れにしゃがみ込んでいる人影が見える。
「エサ捕ってるんじゃないの?」と秘書がいうので、ソレだなと思っていたら、今度は
「鍬みたいなのでたがやしてるよ」と言う。

「?。」・・・・。そこでフライから目を離してよく見てみると、ナルホド、エサ捕りにしては道具立てが違う様だ。
側に荒物が置いてある。
近付いてみると手に皿みたいなボールみたいなモノを持っている。
それでピンときた。ゴールド・パンナー(砂金採り)だナ。

そのおっちゃんに声を掛けてみると手に持っているパン(皿)の中を見せてくれたが、砂金というよりはもう少し大きくて雲母のカケラくらいのゴールド片が二つほど入っていた。
「へぇぇぇ〜っ」ってカンジである。
こんなところで金とはね。意外であった。

おっちゃんのハナシによると、昔はこの辺りには金山があったそうで、今も砂金が摂れることは知ってる人は知ってる、ということらしい。

砂金ポイント(?)を過ぎると今度は浅瀬が続くエリアが現れた。

果たせるかな、このエリアに入ってからはとたんに魚が出始めた。
ただし、メチャクチャ激速ライズである。

こんなの合うわけネェ、という速攻ぶりである。
何発も出る。が、一向にフック・アップ出来ない。

秘書と2人、交替しながらロッドを振るが、どちらもこの速いライズについていけない。
今年は何しろ、忍野でフワ〜っ、アングリと魚が出てくる生ぬるい釣りしかやっていないのである。
ヤマメ(だと思ってた)としてもこれはカナリ速い出方をする此処の魚のスピードにイキナリ対応できるものか。

加えて、ロッドである。
最初の支流の時のまま7'0"のグラス・ロッドでやっているのだが、魚も期薄そうでメンドウだったので、もう1本持ってきている8'1"グラファイトに交換しなかった事に敗因があった。
速い浅瀬でこの手の釣りをするには、ショート・ロッドはライン捌きやフッキング・スピードに於いても圧倒的に不利である。

それでも何発も掛け損ねているウチに、フック・アップしてバレる魚が何匹かあり、さらに今度は合わせ切れ。
ようやくタイミングが合い始めたが、速いライズにはつい力が入ってしまい勝ちで、合わせ切れが増える。
そしてようやく、フッキングした魚が無事ネットに入った。

ここまでにいったい何匹逃したことか・・・・。
さらにもうイッチョ。

逃したヤツはもっといいサイズだったんだけどナ。
もう1匹追加。

みんなサイズはソコソコだけど、コンディションが素晴らしい。

丸々と太って健康的で美しい。

こんなカンジの浅瀬が続くエリアであるが、魚の多さに驚く。

出た魚をもし全部掛けてたら、随分な数の魚をカメラに収められたであろうに。


結果的にはネットに入った魚は3匹だけではあったが、全く期待していなかった本流でこれほど多くの魚の反応に触れることが出来たので、それだけでも充足感がある。

秘書のロッドにも何発も出たがフック・アップは難しく、一発ミートしたのは合わせ切れと残念ではあったが、このコンディションの下では、魚がこれだけ反応してくれただけでも上出来であろう。

初めての場所は楽しいし、シーズン・ラストを渓流で締めくくることが出来たことでもある。
これで良しとしようではないかね。



帰路は覚悟してはいたが高速登りは30km越えの渋滞である。
本栖近くの道の駅「鳴沢」で一眠りして時間を調整し、ファミレスで食事をして日付が変わるころ高速に乗ったが、まだ10数kmの渋滞が残っていた。
いつもの小仏トンネル渋滞をパスしてからは順調に流れて、午前2:00過ぎ、三鷹村に帰りついた。