2011' Flyfishing & CAMP


09.24  「台風15号の痕・ラスト忍野 山梨県・忍野  


先週の豪雨の後は続いて台風である。
今度ばかりは、今まで何ンとなく微妙にスリ抜けてきた感のあった東京でもマトモに食らった「嵐」であった。

今年は地震、猛暑、豪雨、台風などと自然の猛威に曝されたシーズンであった(過去形にするには早いか)という感慨である。
今更ながら、この地球上にあって自然の営みの前で如何に人類とは小ッポケで無力な存在であるのかを思い知らされる。
スペース・シャトルが飛び、宇宙ステーションで人類が長期滞在する時代、最先端科学でDNAの謎解明云々・・・、組織再生医療云々・・・、などと言ってみたところで、事前に被害を防ぐレベルで地震を正確に予知することも、台風が来ると判っていても防ぐ事も出来ないのである。 

してみれば、宇宙という規模で地球を考えてみると我々のやっている事など正にアリの営みである。
日々の煩悩など針の先で突いたほどの点にもならないのである。
そのハズである。
で、あるが、そのごく小さな日々の出来事に振り回されながら、喜怒哀楽を味わいつつ生きていくしかないのも事実である。
そしていつか死んでゆく。

だから、楽しめる境遇にある時は一生懸命、楽しむのである。
釣りに行ける時には釣りに行くのである。

・・・・・・。

さておき。

今年の渓流シーズンも終焉を迎える。
毎年、アッという間だったと書き記すのであるが、やっぱりアッという間であった。
シーズンが開幕したころは、果たしてどうなるものか全く予想すら出来ない状態であったが、どうやら一つのカタチになった気がするのである。

終盤に差し掛かって、各地の流れでは水害によって釣りが出来ないまま幕を下ろすケースも多いのではなかろうかと思われるが、私達に至ってもこの台風15号の影響で前回が最後になるのではないかと考えていたところであった。
行くとすれば忍野であるが、フライ・ショップ「リバーズ・エッジ」のブログをチックしていたら、豪雨の被害を伝えていたのと同時に釣り人もいる、とも書いてあった。
つまり、釣りは出来る状況であるらしい。

ならばダメもと、シーズン最後の釣りに出掛けてみようではないか。

  いつもの様に前夜出発して道の駅でP泊。

翌朝、快晴の道の駅。 
  忍野の流れ。

前回を上回る大きな爪痕。 
  一見、穏やかな雰囲気であるが・・・。    テニスコートのネットにはクッキリと水位の高さが刻まれている。 
  一応、釣りにはなる状況。
「キタよー、目刺しが。」 
  こんなんでも、貴重な一匹ではある。 
   よしキタ!!

今度はマトモなサイズだョ。
  コレは場所を変えてからの一匹。 
気温は低く、日陰に暫く居るとホントに寒くなってしまうのである。
秘書はすっかり冷えてしまったので一足先に車に戻って小休止。

ワタシもそろそろ温かさが恋しくなってきた。
昼メシにしよう。

今日は突然晩秋になってしまったような気温である。
ずっと川岸に居ると、いつの間にか身体が冷えていて指先が強ばってくる程である。

当然、肉体も精神も温かい食事を要求する。
前回思いがけずヒットした「弥生庵」に再び私達は引き寄せられていく。
 
  

食後はちょっと散歩がてら忍野八海を偵察に行ってみる。

今日はいつも入漁権を購入している漁協パーキング脇の民家が留守だったので、八海入り口にある蕎麦屋で購入したのであるが、店の主人から話を聞いたら台風当日はカナリ凄いことになっていたらしい。

すぐ脇を流れる川が氾濫して、駐車場まで水が上がって池の鯉は脱走し、道路を挟んだ下流側は「すぐそこまで湖になっていた」そうである。
八海の池も溢れて、生息していた虹鱒も随分と流されたということである。


  今もまだ赤茶けた水色のままである。
奥の八海からのスプリング・ウォーターはクリアーであるが、少し下ると入り混じってマッディ・ウォーターとなる。 
  クッキリと流れの色が分かれる。
 
  サスガに三連休となると、それなりの賑わいを見せる忍野八海である。    おっ、ガアすけクンは無事だったネ。 
  午後の釣りを再開する。

それにしても、スゴイやられ具合である。 
  午後のストライク。 
  今日はコレでも良いほうだナ。    秘書も頑張ります。 
   今日は忍野も最後である。
何とか一匹でもキャッチしたいところである。
  そして何とか秘書にもストライク。 
  時間と共に気温も下がる。

一枚、また一枚と重ね着するが、それでも夕刻が近づくにつれて寒さが染みて来るのである。 
   よし、マトモなサイズだゾ!!
  突然、ドオーっとゴミの集団が流下して来る。

山中湖で放水が行われたか、どこか流れの途中に出来ていたゴミダムが決壊したか? 
  最後にドライで一匹。 

今回は最初から沈める釣りと決めて掛かったので、地味といえば地味であったし、大した魚も掛けられなかったが、コンスタントにさかなの気配に触れられた点を持って良しとしたい。

そもそも、大型台風が直撃した後に、なんとかシーズン・ラストの釣りを楽しむことが出来たのであるから、そこに大きな意義を感ずるワケである。
今シーズンは結局のところ、「忍野に始まり忍野に終わる」こととなった。

後は・・・、今年も那須の冬季釣り場に行ければ良いな・・・・。


帰りの中央道上りは断続的に十数キロの渋滞となっていた。
いつものように道の駅で一眠りしたあと、和食系ファミレスで夕食を済ませてから帰路に就いた。
渋滞の距離は短くなってはいたものの、それなりに金魚のフンになってゆるく移動すること数十分、二時間ほど掛けて三鷹村に帰りついた。
 

蛇足

猫シャチョー近況
  急に寒くなってしまったので、ジイ様にはキビシイのである。