2008
 08.09,20   新潟県 湯沢  

今年の渓流シーズンもいよいよ終焉である。
ほぼ月一ペースの釣行がキャパ一杯というカンジで、毎年のコトだがアッという間であった。

シーズン・ラストはいつもそうであるが、魚は釣れても釣れなくても良い、〆として出掛けられればそれで目的は達せられるという感覚である。車の車検が終ったばかりで予算的にはチト厳しいが、行けるものなら行っておきたい。
そんなワケで、東京の天候は台風の影響を食らって荒れ模様であるが、新潟はなんとか免れそうであるという読みで出掛ける事にする。
19日(金)、午後10時を回っている。出発する時は雨も本降り、風も少し出始めていた。
自宅近くのイタメシ系ファミレスで夕食を摂り、関越道に乗る頃にはドシャ降りである。

サスガにこの天気では車も少ない。
車検から戻ってきたばかりの車は、スパーク・プラグ、エアクリーナー・フィルター、エンジン・オイル、ATフルード、ブレーキ・フルード、更にリア・ダンパーと、不具合箇所を一通り交換してすこぶる調子がいい。
気になっていたフロント・アクスル左側の不自然な挙動やノイズも、ドライブ・シャフトの交換でどうやらナリを潜めている様で快適である。ちょっとばかり大きなオペレーションになって費用は嵩んだが、その甲斐があった。

ウィンドウの撥水コートも掛け直して来たので激しい雨のなかでも視界は良好。
順調に走り谷川岳P.Aに到着する頃には雨も殆ど止んでいた。
例のごとくミネラル・ウォーターをポリタンクに汲み関越トンネルを抜けると、果たせるかな、雨は止み路面も乾き始めていた。

湯沢で高速を下りて、またいつものようにコンビニでブロック・アイスと酒、食料を仕入れてキャンプサイトへ向かう。

日付が変わって午前2時半に到着する。
外は雨上がりのヒンヤリとした鮮烈な空気と遠くの川のせせらぎ。空は雲越しの月明かりでうっすらと明るい。
かさ張るコールマンのクーラー・ボックスを車外に下ろしてスペースをつくり、缶ビールを2本ばかり注入して朝まで車で熟睡する。

※全画像クリックで拡大

朝、眩い日差しとブルー・ジェイの賑やかな鳴き声で目を覚ます。
東京を出発する時のドシャ降りがウソの様な青空である。

恐ろしいほどに清清しい大気に満ちている。
放尿したあと、そのままカメラを持ってトレイルをプラプラ歩きに行く。
澄明な空気、抜けるような青空、それらを越して降り注ぐ眩しい朝日。鳥の声、虫の音、川の瀬音。
これだけですでに私は満たされる。
来て良かった。

何枚か気持ちの赴くままにシャッターを切り、橋の上からジン・クリアーな川の流れに暫し見とれてから車に戻る。
もう一度、暖かいシュラフに戻って眠ろうか、とも思ったが妙に頭が冴えてしまったのでそのままホールディング・ショベルを持ち出して、缶ビールを摂取しつつトイレを設置することにする。
深くていい穴が掘れて満足。トイレ・テントも組み立てて納得の往くトイレが設置できた。
その頃、秘書も車から這い出してくる。

ゆっくりと今回のベースをセッティングする。

今回は一泊だし、来られたコト自体オマケと考えて、釣りよりもノンビリすることを優先する。
正直、釣りの方は前回のエンディングでかなり満足してしまったこともあって、ソレほどハングリーな気分ではないのである。
そもそも朝一から次々と釣り人が我がサイトの前を通過してゆく。
テンカラ屋さン、フライ屋さん、またフライ屋さん・・・・・。
これではヤル気も起きないというものである。

朝食のあと、谷川岳のミネラル・ウォーターで淹れた美味しいコーヒーをゆっくり飲み、さらにアルコールを摂取し、ヒマになったので時間を掛けてリーダーを新品に取り替える。

そのまま流れでラインを軽くクリーニングして、ロッドも継いでタックルをセッティングする。

秘書は二度寝の気配なので、私は「ちょっとソコだけやってくるョ」と言い残してロッドを持ち、足元はそのまま陸シューズで出掛ける。
パンツの裾を一応、膝まで捲り上げてドライビング・シューズのまま河原に降りる。

「いかにも」ポイントだが、いつも全く反応が無い場所である。

朝、散歩がてらノゾキに来た時、今日は何となくイケそうな予感がしたので、ココだけ流すつもりで来たのである。
ちょうど釣り人も途切れて少し落ち着いたらしき気配でもある。

前回、目ぼしいフライを使い切ったまま、椎間板ヘルニアがベースのギックリ腰と四十肩などの体調不良も手伝って新しいフライは巻いてこなかったので、何とか使えそうなフライをケースから選び出して6xのティペットに結ぶ。

ドレッシングを施し、ピーコックをツイストしてボディーに巻いたパラシュートをキャストする。

フライ目掛けてソコソコ・サイズの魚が浮いて来るのが見えた。

2〜3投目でカポッと出たところを掛ける。

小気味よく抵抗したあとネットに入ったのはアベレージ・サイズの岩魚クン。

いつものことだけど、シーズン・ラストはこんなもんで十分でしょ。
釣りの方はコレで目的を達したので満足である。
オマケ狙いでもう少しロッドを振ってみたが、合わせ切れ一つと、チビ1匹、そして滑ってシューズが水にハマッタだけであった。
約2時間ほどの釣りだった。

戻ってランチである。
カンタンなメニューをゆったりと食し、あとは音楽を聴きつつ、ツマミと酒を楽しむ。
どのみち、釣り人がなかなか途切れない事でもある。
適当に酔っ払って睡魔に襲われたので、イブニング・タイムまで昼寝を決め込む。

合間に外を通過する足音で目を覚ますと、また釣り人が歩いてゆく。

結局、夕方のいい時間も釣り人が途切れず完全に釣りは諦めモードで、ひたすら眠るのみである。
前日までの本業の激務と、腰痛、四十肩の痛みに耐える戦いによる疲労もドッと出てひたすら眠い。

最後に目が覚めた時は夕闇も迫り、雨もパラつき始めていた。
こうなれば、あとはキャンプの夜を楽しむのみである。

ランタンに灯を入れ、肌寒くて空気も湿っているので、コールマンのクイック・ヒーターも点ける。
さらにスリー・バーナーに点火してポットをかけるとスクリーン・ドームの中に暖かな空気が満ち始める。
ディナーは「鶏肉のうまうまトマト煮」。ネットの「COOK PAD」で秘書が拾ったメニューである。
材料を鍋に重ね入れて火に掛けるだけ。水は加えず、材料から出る水分だけでいいスープが取れる。

バジルとトマトの利いた濃厚なウマミ、柔らかなチキン、カンタンなのに素晴らしい味わいの一品。
赤によく合う。

そして私は、食事が終るか終らないかにもう眠気に浸され始める。
夕方まであれだけ眠ったのに、どうしてこんなにも眠いのか。

それでもきちんと歯を磨いて、トイレに行って、着替えてからシュラフに潜り込んだらしい。
ひたすら眠る。

翌朝、6時ごろ尿意をもよおして起き出す。
すると、もう2人組みのフライ屋サンがサイトの前を通過してゆく。
ヤレヤレ、お好きなんですネ。

もう一度シュラフに潜り込んでウトウトし始めた頃、また足音が。
今度は1人のフライ屋サン。
あのネ、今2人行ったばかりなのだよ、と心の中で呟きつつまたトロトロと眠りに落ちていく。

チョッと眠った頃、今度は雨音で目が覚める。

なんだ、また雨かよ。

ますます起きる気が無くなる。
結局、グズグス寝たり覚めたりして最終的に午前10時過ぎに起き出す。

その間にも、何組かの釣り人がチョロチョロしていたようである。
ココでこんなに釣り人を見かけたのは初めての事である。
有名になっちゃったのか?

ゆっくりブランチを摂り、雨が小止みになったスキに店をたたみ雨に濡れたままの装備を車に積み込む。
午後1:00近く、出発する頃になってほぼ雨が止む。

今回は野ウサギさんは見かけなかったが、帰り道、野ザルに遭遇。
逃げるどころかコチラをじっと観察し、近くの木に登ってユッサユッサと揺らしながらカッと口を開いて威嚇する始末である。
このふてぶてしさ、群れを追われた元ボスザルか?

最後にちょっと珍しいモノがみられて愉快であった。


新潟の渓よ、また来シーズン。
ゴミは残さず、遊漁料は払って釣れた魚は逃がし、おカネだけは落として行くいいお客としてまた来年遊びに来マス。

帰りの車中。

雨が降ったり止んだりの空模様。

いつもの様に秘書の膝の上で爆睡中のシャチョー。
ホントにマジ寝である。
ちょっと油断しすぎなんじゃないの?

この天気の割りに、以外と車が出ていたようで東京が近づくにつれ断続的に渋滞し始める。

さて、次はもう管釣りだナ。

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