2008
 08.13-15   新潟県 湯沢  其のA

さて、2日目。

いや〜ぁ、とにかくよく眠れる。
空気が良くて、涼しくて、いちど目が覚めてもまた気持ちよくてトロトロと眠りに落ちていく。
そんなコトを2〜3度繰り返すうちに、いつの間にか8時、9時である。

モチロン、いつもならやっているであろう朝一の釣りなんて行かないのである。
午前4時とか5時くらいに一度オシッコをしに起きると、少し上に車が止まってて、「ははぁ、釣りだな」とは思うワケだが、特に焦りや嫉妬の感情が涌く事もないのである。

手を洗うとそのままコールマンのクーラーBOXからよく冷えた缶ビールを引っこ抜き、一口、乾いた起き抜けの喉にビールを流し込みながらまたテントに戻る。
シュラフの上にあぐらをかき、隣で気持ち良さそうに寝息を立てている秘書とシャチョーをチラとながめつつ、残りのビールをあおる。

飲み終わる頃にはまた瞼が重くなって、再び暖かさが心地よいシュラフに潜り込んで沈んでゆく。

・・・・・・・・。

朝日がテントに当たり始めて少し暑くなってくると、ようやく起きる気になる。

ゆっくり着替えてテントを這い出し、冷たい水でカオを洗って朝食である。


スリー・バーナーに火を入れてポットを掛け、湯が沸くまでビールを飲みつつまったりする。
平和である。

昨夜の牛肉トマト炒めが残っているので、そこに卵を落とし、フランスパンとあわせる。
少しマイルドになって朝食には最適である。
そして、どう考えてもこれがワインに合わないわけがないので、朝からワインもいく。
こういう環境だと、朝から食も進むのである。

食後のコーヒーもゆっくり味わう。
谷川岳の水で入れたコーヒーは雑味がなくてホントにウマイ。

適度に酔っ払って、適度にノンビリしたことなので、ボチボチ釣りに行って見ることにしようか。

穏やかな雰囲気が漂う川。
ゆっくりとウェーディング・シューズに足を通して釣りに出かける。
既に時刻は午前11:00を回っている。

今日はこれから歩いて下流に下り、去年見られなかったダムのインレット辺りまで行ってみるつもりである。

何度か休憩しながら下流に向かう。

はぁー疲れた。
まだつかないのぉ?
1時間以上かかって、ようやくダム上に辿り着く。

ホントはこのプールのもう1個下がダムのインレットになるのであるが、此処まで来ればもう十分。

さて、釣り登るか。

青々と水を湛えたプールであるが、予想通りここでは不発。 プール上の風景。

素晴らしいロケーションであるが、魚は・・・・。
対岸のバンクの影から絵に描いたようにイワナが出たらパラダイスであるが、そうアマくはない。 ン!?
ナンダこりゃ!!

実はこの少し上でちょっと試しにフライを流してみたら、コイツが出やがった。
ウグイが居るんじゃ期待出来ないな、と思いつつも少し釣り登ったところで、ちょといいカンジのストライクが・・・。

果たして魚は。
これはさすがにいい走りで抵抗したので、ウグイ君でないことはすぐに判った。

いいサイズのイワナ。
いや〜ぁ良かった!!
それならば、と、秘書さんにもやってもらいましょう。

ジン・クリアー・ウォーターでフラットな流れ。

理想的な環境であるが、あとは魚だナ・・・。
掌サイズのウグイが次々とアタックしてくる。

何匹も掛けたり飛ばしたりしてると、ちょといいサイズの魚がヒット。

今度はイワナか!?・・・。
はは・・・、いいサイズのウグイ君でした。

もしかしたら、と思ったんだけどネ。

それでも更に掛けてリリースを繰り返すうちに、おっ!!ちょっと違うのが来たゾ!!!

小型だけど、キレイなヤマメが混じった。

更に釣り登る。

ここではブッシュの流れ出しでバシッ!!とものすごい出方をしたヤツがいた。

が、痛恨の合わせ切れ・・・・!!!
大型の魚だったのはハッキリと判った。

ひょっとして尺だったかも・・・?。
悔しさひとしお。
ココ、「いかにも」ポイントだけど。
何が出た?
形はいいけどチビイワナでした。

またウグイを掛けたり、かなりいいサイズのイワナを掛け損ねたりしながら釣り登る。
途中のプールで、来る時にはなかった真新しい足跡を発見。

私たちは苦労して歩いてきたのに、ダム下側から車で上がってきて途中で入ったヤツがいる。
その林道は普段、ゲートが閉まっていて一般車は入れないはずなんだけどな。
それでもそのプールではいいサイズのヤマメが出て掛け損ねたり、ウグイ君も何匹か釣れた。
どうやらその先行者、ウデの方はそれほど・・・。

ところで、雲行きが怪しくなってきた。

あっという間に空が黒くて重たい雲で埋め尽くされ、ときどき雨も落ち始める。
ちょっとヤバそうなので、目ぼしいポイントだけ軽く突っつきながら足早に上流を目指す。
とうとう上空でゴロゴロいい始める。

これはホンカクテキにヤバい。
釣りをあきらめて、ひたすら道に上がれる場所まで川を急ぎ足で歩く。
ようやく道に上がれる場所に辿り着いてホッとしたとたん、大粒の雨が落ち始めた。

土手上の道に上がり、急いでレインジャケットを着る。
とたんにバケツをひっくり返したようなドシャ降りになり、激しい稲光と雷鳴が轟く。
激しい雨が叩き付ける中、2人して背を丸めて川と化したトレイルを急ぐ。
雷もスゴイ。
落っこちるのじゃないかと気が気ではないが、一方でなんとなく雷の核心は微妙に右や左に逸れているカンジなので、心のどこかでは「まだダイジョーブ」と思っている。

滝の様な雨の向こうにベースが煙って見えてきた。
夜の森で道に迷って彷徨う中で一軒屋の明かりを発見したかのようにホッとした。

なんとか無事にベースに辿り着き、ウェーディング・シューズを脱ぎ捨てて乾いた衣服に着替える。
こうなるとテントやスクリーン・ドームがまるで強固な要塞であるかのように感じられるのである。

最近は雷を恐がるようになったシャチョーがどうしているか心配だったのであるが、テントの中を覗くと、シュラフの下に潜り込んで小さくなっていた。

外はまだ薄明るいがランタンに灯を入れる。スクリーンの中が暖かな空気と光で満たされる。
よく歩いたし、最後はエライ目にあった。
ハラが減ったゾ。

夕食には気持ち早いので、軽く流水麺のうどんとソバを流し込んでテントに入り、そのまま少し眠る。

30分くらい眠ったか、いつの間にか雷雨が去って静けさが戻っていた。
外はまだ薄ら明るい。
川を覗きに行って見る。
増水して薄く濁りが入っている。それでも橋の上からプールを眺めていると岸よりで小さなライズが起きている。
「よしっ」と急いでロッドを取りに戻り、秘書と一緒にサンダルのままで川にとって返し、ちょっとフライを流してみたものの、せっかく乾いた衣服を身に着けたのに草の露で湿らせただけで終った。

ま、ちょうどさっき食べた麺をこなすサンポになった。

ベースに戻ってディナーにする。
本日はパスタとポトフである。
冷えた体に暖かい料理が染み込む。

酒も進むというものだ。
食後。
午後の疲労も手伝って、とっととテントに潜り込む。

豪雨のお陰でテントのなかも湿ってちょっと寒いので、ランタンを持ち込んで少し温める。

ホントは危険な使い方なので決しておススメは出来ない。
ランタンを転倒させないようにローテーブルを土台にし、さらにこのテントはルーフに大型のベンチレーターが三面装備されているので、ちょっと気をつけていれば大丈夫。


あとは眠る準備をして、ストレートのバーボンとよく冷えたウーロン茶を交互にヤッて眠りが降りて来るのを待つだけである。
雨は止んでいるようだが、木立から雫が落ちてフライシートに当たって音を立てる。

明日の朝は晴れてくれるかナ・・・・。

★二日目のオマケFhoto★

ちょーキレイ。 シャチョー。 使える道具B


この続き3日目はコチラから。★・・・・・とうとう尺か?!???